和歌山市は和歌山県の北西部に位置し、人口は362,840人(2016.6.1現在)で、和歌山県の県庁所在地であり、紀州徳川家が治めた紀州藩の城下町として栄え、かの徳川吉宗もここから世に出た人物です。
かつて1980年代前半は人口が40万を越えていた時期がありましたが、近年は減少が問題となっており、当時より1割ほど落ちています。
-JR・和歌山電鉄/和歌山駅-
【路線】JR紀勢本線(亀山-和歌山間)
阪和線(天王寺-和歌山間)
和歌山線(王寺間-和歌山間)
和歌山電鉄貴志川線(和歌山-貴志間)
【開業】1924年2月28日
【訪問】初訪問-1993年9月
【1日あたり平均乗車人員】 5,251人/日 (2014年)
【近隣の主要駅】(亀山方面)海南駅→4駅
(天王寺方面)和泉砂川駅→6駅
(王寺方面)岩出駅→6駅
(貴志方面)貴志駅→13駅
●ホーム
ここへの初訪問は1993年9月、実に23年も前の事となりますが、この記事でお送りする写真は2006年7月の再訪時のものを中心にお届けしていきます。それでも10年前になりますが、このあたりの景色はそんなに変わっていないのではないか、と勝手に思いながら載せます。
さて、この和歌山駅、開業が1924年と他の主要都市駅に比べるといささか遅い形となっていますが、この駅は元々東和歌山駅として開業したものであり、この時既に「和歌山駅」が別に存在していました、今の紀伊駅(現・和歌山駅の隣駅)です。その後、様々な世の流れの変化に従い、当駅の方が中心的機能を持つようになり、1968年になって現在の「和歌山駅」に改称されています。
JRで複数路線に分岐するキー駅ですが、どの路線でも終着駅扱いで、紀勢本線と阪和線の境界となる駅でもあります。また、JRのみらず「和歌山電鉄」の始発駅でもあり、この鉄道では終点まで乗って行くと、あの「たま駅長」の居る"貴志駅"に辿り着きます。初代駅長は亡くなってしまいましたが、現在は2代目のたま駅長が就任しています。
南海に「和歌山市駅」があります(JRと共存)が、こことは少し距離があり、JRで紀伊駅を挟んでの移動、またはバスでの移動になります。松山駅と松山市駅との関係に少し近いですかね、この両者の場合は鉄道での移動は不可能ですが。
●ホーム2
ホームから階段へ行くにあたっての各ホームの案内はこのようになっています。
これ以外に7番線は和歌山線として岩出方面、8番線は和歌山市駅と結ぶ紀勢本線で、この撮影しているホームはこれらにあたります。その為、この駅名標では隣駅表示が片側しかない格好となっています。
また、9番線として和歌山電鉄のホームがあります。6番は欠番であり、しめて5面8線と広大なホームを有する形となっています。とても中心駅ではなかったとは思えないですね。
ここから「9番線」の写真までは2010年10月の再訪時のものです。状況はあまり変わっていないかと思いますが、車両によっては2006年当時なかったものなども出てきます。
何といっても印象的なのが、このように自動車を駅構内に展示している事です。
これはダイハツのディーラーにより置かれているもので、新大阪駅にも同様に置いてるのだとか、新大阪には何度も行っているものの全く気付かなかったです。
という事で、こちらは和歌山市駅と結ぶ紀勢本線のホームで、当駅→紀和駅→和歌山市駅と結ぶ短い路線用です。
ちなみにかつて和歌山駅を名乗っていたのは「紀伊駅」で、この「紀和駅」と紛らわしいものがあります。
こちらは和歌山電鉄のホームですが、独特なカラーの列車が顔を覗かせていたので衝動的に撮ったものです。 「おもちゃ電車」と呼ばれる車両で、2007年に登場したそうですが、このあと2009年には、猫の顔が模された形がフロント部に出てくる「たま電車」が登場する事となります。いずれも有名な水戸岡鋭治氏の手によるデザインだそうです。
和歌山駅を出ての様子です。
さすが県都、堂々とした佇まいで、高層の建物が向こうへ続いていっています。
和歌山県は特に、人口規模では和歌山市一極集中の状態で、次に人口が多い自治体は田辺市の7万台です。そんな背景もあって、和歌山県内でこのような高層の建物が続くエリアというのはそうそうないという事です。
あと、ここで印象的なのは近鉄の電車は一切走っていませんが、向こうに「近鉄特急」の看板が見えたり、近鉄百貨店が入っていたりします。
●近鉄百貨店
という訳で駅の真ん前に堂々と建っています。
和歌山市はおろか、和歌山県自体に近鉄は走っていませんが…。和歌山県で走っている大手私鉄は南海のみです。ちなみに和歌山「市駅」の方の駅ビルは「南海和歌山ビル」となっています。
2014年に高島屋が閉店以降、市内はおろか和歌山県内でさえも、ここが唯一の百貨店として生き残っているそうです。近鉄における売上としては、あべのハルカス店がダントツで、奈良店や大阪上本町店よりやや下という状態で、2013年の調査で売上234億円、全国73位という記録が残っています。地方都市での「百貨店」という業態の今後というものは色々考えさせられる要素がありそうです。
●和歌山駅 駅舎
2007年4月当時の駅舎です。
この当時からでは駅ビルの名称が変わっており、この当時は「VIVO和歌山」で、現在は「和歌山MIO」としてリニューアルされているという事です。長らく行っていないので、その辺りもまた確認したいものですが…
●和歌山駅 駅舎2
こちらは初訪問した1993年9月当時の駅舎です。
建物は同じですが、外装が今とだいぶ違っていて、濃い色で迫ってくる感じ?がありました。
この時は、近畿地方で最後に訪ねた県が和歌山県で、しかもここだった、という個人的にはかなり記念すべき訪問でした。
建屋の前にかかっている幕に枠がなく、そのまま垂れ下がっている感じで、後年のものは枠内にはまる形となっています。
この幕のいちばん右の分には「世界リゾート博」という、この翌年1994年夏に和歌山で開催された体験型博覧会のものがあり、時代を感じさせられます。関西国際空港の開業はこの博覧会の終盤となったものの、こういう形での地方での博覧会の「稀有な成功例」として語られています。
駅に歴史ありで、建物が変わっていなくても、色々な部分に目を向けて時代を感じる事ができるものだなと、改めて思わされました。