宮崎県えびの市のJRえびの駅です。
えびの市は宮崎県の西端に位置し、鹿児島県にも熊本県にも接しており人口は20,793人(2012.12.1現在)とかろうじて2万人を越えている状態ですが、えびの高原の存在は有名で年間約80万人の観光客が訪れるといわれています。
-JRえびの駅-
【路線】JR吉都線(吉松-都城間)
【開業】1912年10月1日
【訪問】2013年1月
【1日あたり平均乗車人員】 87人/日 (2011年)
【近隣の主要駅】(吉松方面)吉松駅→3駅
(都城方面)小林駅→4駅
▼駅名標
2013年で新規に訪ねた市がいくつかありますが、その中でいちばん最初に駅前を旅した所です。駅を訪ねた最初は隣の市の小林駅ですが、バスで降り立って程無く乗継でここまでやって来たので、駅前を歩き回ったのはここが最初という訳です。宮崎県は2009年夏以来3年半ぶりに訪ねました。
人口2万人ほどの市の中心駅なんで、こういう風景かなとは思っていましたが、それにしても穏やかそのものでした。えびの市の市名を名乗り、市の中心駅でもある訳ですが、利用者数では隣の京町温泉駅よりやや少なく、反対に都城方面の2駅隣のえびの飯野駅よりもかなり少ない状態です。
ちなみにえびの市の市制施行は1970年で、よく似た名の神奈川県「海老名」市の施行は翌1971年になります。
▼のってきた電車
この電車に乗って小林駅からやって来ました。1両だけです。
吉都(きっと)線の駅は当ブログ初登場です。乗ったのもこの時初めてだったもので…。つい先月、1月の3連休を利用しての旅でした。
この時の旅から今まで未訪の市に行っておらず、段々未訪市の開拓も遠くばかりが残り、困難になってきました。現在787市中733市訪問(あと54市)、今年中に750市までは行きたいなと思いますが…。
▼ホーム
ホームは1面2線のみで、この室内型の待合室が設けられており、そのすぐ外に木製のベンチがひとつポツンと置いてあります。
改札とは向こうの構内踏切で結ばれており、跨線橋はありません。
▼待合室内
ホーム上の待合室内の様子です。
長椅子状、個別の椅子状両方ありますが、壁床とともに白基調で統一されているかのように見えました。
▼改札前
駅舎の内側にあたる部分ですが、大きな屋根が立派で、ひさしもメインの屋根より大きく出ていて、屋根の重厚感が倍増しています。
またこの木造の渋さがなんともいえず、ひさしの下側の骨組みも素晴らしいし、駅名標周辺の木造部も実に純和風の佇まいが素晴らしいですね。
▼改札
改札口そのものもズバリ木造です。
昔懐かしの佇まいがそのまま残っている感じです。昭和っていいな、って感じで。
両サイドにベンチが置いてありますが、ここで電車待つ人って居るのかな…??
ひさしの柱に適当にひびが入っていて、木造という事を改めて感じさせられます。
▼駅舎内
これも昭和の風景そのままではないでしょうか。
昔のやや大きめの駅の駅舎内という感じ、イメージですが…。
木造イスありソファーありってとこは何でもありな感じですが。
木の梁と貫、板張りの内装、居るだけで郷愁を激しくそそられるこの雰囲気はたまりません。
▼運賃表
付近の路線図と運賃の表です。
3駅いった吉松で肥薩線と合流しますが、その手前の鶴丸駅から鹿児島県に入り、ほとんど鹿児島県という感じの地域ではあります。
隣の市・小林までは360円、付近で都市といえる所で最も安価なのが、都城で\1,080でいけます。鹿児島県霧島市の隼人へも同額です。
▼時刻表
吉都線の時刻表です。
これはなかなか厳しいですね、、1日に両方面とも11本、平均すると1時間半に1本というところでしょうか。
ちなみにこの時は15:28に着いて、16:12に発ちました。
30数分であちこち外を歩き回って来たんですが、なかなかハードでした…。
▼出札内
駅に降りる時も車内で運賃払ってきました。
でも出札があって、シャッターで閉められもせず、中身がこんな風に見えています。
やはりここも木枠の透明ガラス窓です。どこまでも昭和です。
ここで、右上に駅名標が見えますが、「きりの(霧野)」駅となっています。これは実在するものではなく、2003年公開の映画「美しい夏キリシマ」で当駅が「霧野駅」として使われたことによるものです。
この映画は柄本佑さんのデビュー作で2003年キネマ旬報の日本映画ベストワンに選ばれ、柄本さんもキネマ旬報の新人男優賞に選ばれています。柄本明さんの息子さんで若い頃のお父さんに雰囲気がよく似てます。ちなみに柄本明さんは「探偵物語」のテレビ版の探偵役をやっていました。(工藤ちゃんじゃない「辻山」の方)
▼出札・2
上の写真をそのまま左へスライドさせた位置にあたります。
出札窓口の円がここにありました。
吉都線は1912年に開業し、当駅も同じですが、去年開業100周年を迎えました。
そんな100周年を記念して川柳や写真が貼り出され、地味ながらスタンプラリーも企画され、ミニ冊子が出ていました。幹線ではなく、こういうローカル線の記念事業でつくられたものって手づくり感に溢れていて、より感情移入してしまいます。
一番下の冊子内の様子の左下にあるスタンプは、ここえびの駅の駅スタンプです。説明書きには付近の「金松法然」についての記載があり、無類の焼酎好きの法然さまを祀っているとの事で、焼酎やお米を供えると願い事をひとつ叶えてくれるとか。駅から車で3分、とありましたが歩いて行くとどの程度か…、直線距離で見ると1km程度でしたが…。
▼天井
駅舎内の天井部分はオール木造です。
これもまた素晴らしいいでたちです。
駅前は広場があるものの、ロータリー状に整備されたものではなく、だだっ広くひろがっているのみで、タクシーはこの時は一台も停まっていませんでした。
コカコーラのマークの下に商店名の入っている建屋を見ると昭和を感じます。昔はコーラってどこか特別な飲み物だったように思います。
えびの駅から北へ向かっての景色ですが、向こうにそびえるのは国見山でしょうか。あちこちで山がきれいに見えて、どこを撮ってもなかなか絵になります。
▼ロケ記念碑
前述の映画「美しい夏キリシマ」のロケ記念碑が駅前にありました。
この映画の監督である黒木和雄氏がここ、えびのの出身なんですね。
▼駅舎外壁
駅舎は外装も木造なんですが、見事なまでの板張りづくし。
古き良き時代を思い出すには十分すぎるいでたちです。窓もガラス張りで、小学校の木造校舎を思い出します。
吉都線100周年を記念した看板が取り付けられていました。
「明るい未来が"吉都"くる」、そうあってほしいものです。
▼えびの駅 駅舎
無人駅とは思えない立派な容貌で、見事なまでの木造駅舎です。
しかし横から撮ると案外小さい駅舎だなと思ったりもしました…
自転車が結構自由な感じで置かれていました。
ここから限られた時間で「えびの」らしい何かを見つけるのはなかなか難しいですが、30分そこそこ歩き回ってきました。まぁこの駅舎見てるだけでもなかなか面白かったです。