長崎県平戸市の松浦鉄道・たびら平戸口(たびら・ひらどぐち)駅です。
平戸市は長崎県の北西部に位置し、人口は33,661人
(2012.7.1現在)で、本土では日本最西端の地であり、鎖国以前の
対外貿易の中心として栄えた町です。
-松浦鉄道/松浦駅-
【路線】松浦鉄道西九州線 (有田-佐世保間)
【開業】1935年8月6日
【訪問】2012年8月
【1日あたり平均乗降車人員】 302人/日 (2005年)
【近隣の主要駅】(有田方面) 松浦駅→6駅
(佐世保方面) 佐々駅→10駅
▼駅名標
前回記事の松浦駅を発って次に向かった地で、やはり
今月の訪問です。この時は、松浦と平戸に行く事だけが
目的だった訳です。
長い駅名で、ローマ字は更に長くなっています。
元々は平戸口駅を名乗っていましたが、国鉄から松浦鉄道
に転換される際に、当時の所属自治体である田平町(人口約
7,000)の名前がつけたされた格好となっており、合併前の
旧・平戸市には鉄道駅のない状態でした。陸続きにはなって
いますが、平戸は基本的に島なので…。
なので、この駅を降りると平戸の中心街が近くにあると思って
訪ねると少々エライ事になります。バスかタクシーを使うか、
距離を承知で根性で歩くか、を前もって考えておいた方が
良いかと思います。ちなみに私はこの時、行きは歩き倒して、
帰りはタクシーを使いました。バス便はそれ程多くない感じ
でした。
▼ホーム・1
駅舎でない側のホームを主にしたカットです。
これで2面3線、両ホームは真ん中の構内踏切でつながって
います。
向かいホームの屋根はそれほど広くないのですが、
利用者数も1日300人の乗降で、電車の車両もそれほど
長くないので、これだけあればというところでししょうか。
▼ホーム・2
反対にこちらは駅舎側です。
割に広いホームで、松浦駅のような寂しい雰囲気では
なくてホッとしました。松浦駅も駅舎内へ行けばそうでも
ないんですが、ホーム上ではものすごい虚無感がありました。
▼日本最西端
日本最西端、という事がアピールされています。
日本最西端は厳密には沖縄県の与那国島とされますが、
ここでは「本土では」という前置きがついた上での
最西端という事になります。
駅としても、2003年に沖縄でゆいレールが開業してからは
厳密には日本最西端の駅でなくなったんですが、これも
あくまで本土で全国の鉄道とレールでつながる形での最西端と
いう事になりますが。
駅名標の絵には平戸大橋が描かれており、これを渡ると
平戸島へ至ります。そこへ行くまでは旧・田平町域です。
という事を知らずにここに来てしまったんですが…
▼スタイリッシュなトイレ
駅ホーム上のトイレは、それとは思えないくらいような建物で、
なかでもカブトムシのアップには惹かれました。とっても力強くて
小さなものにもこれほどの生命力があるんだ、という事を
訴えかけられているようでした。
ちなみにこの写真は平戸市名誉市民で、紫綬褒章受賞者でも
ある生物写真家の栗林慧(くりばやし・さとし)氏によるものです。
▼石炭車・静態保存
セラ1形という国鉄時代に使用されていた石炭車が駅すぐ横に
静態保存されていました。かなり年季の入ったもののようで、
当時の姿のままを残すというコンセプトなのでしょうか。
駅出て右を向いた風景です。
左のコンクリ建屋と右の食堂との間に道があり、
これが駅前道路となるでしょうか。ただ、商店街が
広がるなどはなく、すぐに幹線道に出くわします。
商店街はその幹線道に出てしばらく歩くと出くわします。
▼日本最西端の駅 碑
駅出て左側に目を転じると、このような日本最西端の駅の碑
が立っています。イコール松浦鉄道が日本最西端の鉄道という
事になります。勿論今では「本土では」になりますが。
碑の周りはミニ庭園になっていて、池もあり魚も泳いでいます。
下の写真の真中よりやや右下、赤いものが見えると思いますが、
それです。
▼たびら平戸口駅 駅舎
平屋建てながらやや横に長い駅舎で、観光案内所も入って
おり、そこには鉄道に関する懐かしグッズの展示も少々
あります。
ロータリーはなく広場のスペースがあるだけの状態です。
平成の大合併によってようやく平戸市の駅となった訳で、
これから市の中心としての今後の展開があれば面白いな
と思います。
駅真ん前のバス停に平戸行の表示がありますが、
ダイヤには気をつけて行った方が良いと思います。