79年7月、「太陽にほえろ!」は番組スタートから7年間続いた"あの"おなじみのテーマ曲を一新、大きくアレンジの異なったオープニングテーマが流れました。
ボンが殉職してまる5日…彼を殺した犯人はいまだに挙がらぬまま。
手がかりを探して刑事たちは奔走、意外にもこんな展開は初めてで、それまでの刑事たちは…
マカロニ→犯人逃走。数回後の「マカロニを殺したやつ」で発見されるが些細な喧嘩で死体に。
ジーパン→犯人逃走。後日談なし。
テキサス→その場で全員逮捕。後日談で黒幕も逮捕。
となり、刑事の殉職回と次の回が続き物になってるのは今回が初めてというわけです。
[E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv]
刑事たちの捜査線上に浮かんだ男は、五代潤。ボンが死んだ電話ボックスにバーボンをぶちまけていた。彼が後に刑事と発覚、ボンからスニーカーをプレゼントされて刑事になったという。やがて彼も事件に関わりボン殺害犯を逮捕に至ります。そしてその回のラストで新任刑事として紹介され、あだ名はその履いている靴から命名されました。「スニーカー刑事登場!」です。それまでの不動メンバーで好調が続き、殉職も延期される等あってスニーカーを演じる山下真司は新人刑事として登場する期間がずれにずれ、異例のテスト2回出演を経てようやく日の目を見ることとなりました。28歳になる年での一番格下の刑事の登場は史上最高齢です。
2年ぶりの新人刑事の登場という事もあってか当初はスニーカーの成長を描く回も結構多かった気がします。これに伴い、ロッキーが登場後2年1ヶ月を経てようやく先輩刑事となりました。先輩刑事になるのに最も長い期間を要したのがこのロッキーです、当然といえば当然ですね、それまで誰一人出てこなかったんですから。
ともあれOPのボスに次ぐ二番目の位置にロッキーがつくこととなりました。
OP後半のボスが歩くシーンと交互に登場する各刑事のフラッシュカットでは、ロッキーが先頭に!
[E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv]
この時期はテーマ曲が変わった事もあってか新時代を感じさせる部分もあるように思いました。テキサス・ボンから始まった若手二人体制はこの時期が最後となりました。以後は様々なキャラの刑事が乱立し、ある意味平和な最後の時期とも言えるかもしれません。
山さんや長さんの家庭の話もあまり描かれなくなり、ゴリさんや殿下の恋愛話もなく、そういう意味での興味に欠ける時期だったかも。同居していたボンが殉職し、部屋に独りぼっちになったロッキーの寂しさを描く「真夜中の殺意」という回はありました。諸先輩がロッキーに「俺のところに来るか?」と言って来て、すごいモテ様?!でした。
またロッキーは79年最終作「雨の中の女」で犯人射殺を経験、復讐に燃える女性を止める為に発砲し、車は転がり、死体の彼女を見て男泣きに泣いていました。
[E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv]
ゴリさんが「その一瞬…!」にて仮想殉職シーンを演じています。現場に踏み込む際に躊躇った事を「命を惜しんだ」と激しく自己叱責、今まで死んだ4人の刑事たちに比べて自分はなんと情けないのか、とゴリさんらしい苦悩が描かれた回で仮想殉職は確か夢だったか。本当に殉職するのはこの3年後になります。
また80年、80年代に入って第1作となる「ゴリラ」ではロッキーやスニーカーが苦戦した外国人の武術家とタイマンで勝負を挑み、見事に逮捕する漢ぶりを見せつけています。
[E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv]
藤岡琢也演じる鮫さんが実に3年ぶりに登場したのが「鮫やんの受験戦争」で、前は結婚相談所を開いていたのが今回は受験コンサルタントです。ロッキーもスニーカーも彼とは初対面です。それまで年に一度必ず出ていたのが今回は長いブランクとなりました。
[E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv]
スニーカーの甘ちゃんぶりは遺憾なく発揮され?!「跳べ!スニーカー」ではタレこみ屋のおやじと親しく口を聞いた為にそのタレこみ屋は殺されてしまいます。この回のスニーカーの走りっぷりは実に見事で、激走につぐ激走です。走る事だけで鮮烈なインパクトを与えました。
「疑わしきは」では、犯人と決め付けていた男がシロと知るや謝りに行き殴られますが、実はこの男が現金輸送車襲撃犯だったという事や、「やさしい棘」では亡くなった親友の兄である男を心から信頼していたのに、彼こそが自分を鉄パイプで殴り襲撃した犯人だった事を知り愕然とし、一度は辞表を提出し街をさまよったりします。この件からスニーカー=辞表の図式ができたのか、彼は辞表を出して行動する回が他にも登場します。
他の刑事は辞表を胸に無謀行動をとるのですが、スニーカーの場合は実際に辞表を出して刑事を辞めた気になっている点が違うのです。それだけ刑事という職業に人一倍葛藤を抱えていた男だったのでしょう。
この時期の全員カット。「やさしい棘」のラスト。他の先輩刑事たちが出した辞表に驚くスニーカー。
[E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv]
そんな若手二人体制に終止符が打たれるのは80年3月「廃墟の決闘」で、ロッキーとスニーカーがショットガンを持った犯人との銃撃アクションを繰り広げます。
この事件から捜査はかつて七曲署にいた今は山田署にいるスコッチにたどり着き、スニーカーは自身の故郷・沖縄で顔も見たことのないスコッチと相対するところでこの回は終了します。
[E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv] [E:tv]
それまで視聴率面で苦戦らしい苦戦もなく放送を続けてこれたのですが、ここへ来て「3年B組金八先生」の猛攻を受け、安穏としていられなくなってしまい、70年代型から80年代型への転換を迫られる、そんな時期だったといえます。