静岡県下田市の伊豆急行・伊豆急下田(いずきゅう・しもだ)駅です。
下田市は静岡県の南東部・伊豆半島の先端に近い部分に位置し、人口は24,555人(2012.1.1現在)で、静岡県では最も人口の少ない市ですが、幕末期のペリーの開国要求に応えて箱館と共に日本で初めて開港された地です。観光資源が豊富で海水浴場や温泉、海の幸も沢山あるなど観光が市内経済を主に支えている格好となっています。一昨年の大河ドラマ「龍馬伝」で吉田松陰がアメリカの出国を試みたのもこの地でした。
-伊豆急行・伊豆急下田駅-
【路線】伊豆急行線 (伊東-伊豆急下田間)
【開業】1961年12月10日
【訪問】2012年1月
【1日あたり平均乗降車人員】 4,286人/日 (2007年)
【近隣の都市駅】(伊東方面) 伊豆高原駅→10駅
▼伊豆急行としては、伊豆高原駅以来2駅目の本ブログ登場となります。
伊豆急としては終着駅で、半島の先端に近いという事になりますが、先端までは10kmほどあり、電車が半島の先端までは通っていない状態です。
駅名標のあるラインが片側は赤で、もう一方が青ってところがアクセントがあっていいなと思いました。
▼ホームにて。
ステンレスの車体にバラの絵などのラッピングがなされています。これは沿線の河津町にあるフランス式ローズガーデン「河津バガテル公園」のPR用のものだそうです。河津といえば「河津桜」という早咲き桜が有名ですが、この2月にも満開になるという為に人気があります。私は去年、早咲き桜なるものを神奈川県三浦市で生まれて初めて目にしました、全くの偶然だったんですが…。
ホームはそこそこ幅の広いものとなっていて、ひさしも結構長いものとなっています。
▼ホームは2面3線の構造です。
終着駅ならではのホーム構造となっており、車止めがあって、その先は両ホームをつなぐ通路となっている頭端式(とうたんしき)ホームです。
▼上の写真とは反対側からのカットで、車止めの向こうから列車の停まっている部分を見た様子です。
車止め周辺は動輪があったり、他にも星型の飾りつけ等色々なされていて実に華やかでしたが、この飾りつけは季節により異なるようで、これは先月のものですが、また暖かい季節のも見てみたいものです。
周り(足下)にはスイセンが写っていますか、実際はもっと沢山広がっています。
真ん中に立っているのはかわいらしい龍馬の地蔵です。坂本龍馬の脱藩については、藩主・山内容堂と勝海舟との会談により赦されたのですが、この会談が行われたのが下田であり、この事から「龍馬飛翔の地」とされています。
▼改札を出た所です。
大きな関所の門が…。
この辺りで関所といえば箱根でしょうが、下田の場合は「海の関所」という役回りであったようです。こんな大きな門の向こうに、黒船の船体を模したような改札口と印象的なものが揃っています。
▼ホームを下りてまっすぐ歩くと上の写真の改札に至りますが、これを左向いて進むと駅舎内の広場に行き当たります。
そこには実にさまざまにものが置かれていますが、ここには人力車が2つありました。
▼これも駅舎内のスペースの一角。
伊豆急行の開業50周年を記念して、「伊豆急行線 建設や開業時の風景」という事で当時の様々な写真がパネル展示されていました。
開通を祝うメンバーの中に、あの石原裕次郎さんがいたのがオドロキでした!
▼駅舎内の一角の様子。
上の写真に出てきた改札口とはだいぶ違う様子ですが、その分とは別の改札口です。
最初の改札口はいかにも駅らしい形でしたが、こちらはどこか空港のゲートを思わせる豪華感のあるタイプのものです。
来た時はここの存在に気付かずに普通の改札から出たので、気づかずじまいでしたが、帰りはここから入りました。
この駅で素晴らしいのは、この写真では見えていませんが、右に隠れている部分に待合スペースがあり、なんとそこにはチェアマッサージ機が置いてあったのでした。待ち時間が少しあったので、100円入れて10分ほど旅の疲れを癒していました。
人口3万に満たない市の中心駅にしてはやけに豪華な雰囲気に設備だなと感じさせられます。人口規模よりも観光客の多さが、設備の充実化を推し進めているのかな、と感じました。
▼駅前にあった船の舵のオブジェです。
幕末にペリーが開国を迫った時に乗っていた艦「サスケハナ号」の紹介がされています。
ペリーが1853年最初に来航したのは浦賀ですが、幕府が開国要求に対して推した港のひとつが下田と知るや、翌1854年にはここにも来航し調査がなされたといいます。
▼上の写真は舵の部分だけでしたが、ここには船体をかたどったものがありました。
黒船、の名にピッタリないでたちですね。
▼駅前の目線風景です。
土産物関係の店が結構並んでいて、やはり観光の色合いが強い街並みになっています。またそんな色合いからかタクシーも多目に停まっています。
▼これも駅前の目線ですが、上の写真が駅出てまっすぐとすると、こちらは駅横側の広場といったところです。
下田温泉、と札が出ていますが、ここにも実際にお湯が出てきていて、冬場に訪ねると実にありがたいものがあります。
このすぐ向こうには「寝姿山ロープウェイ」が出ています。
▼伊豆急下田駅の駅舎です。
中が結構豪華であったので、そのイメージからすると意外と平板な印象かもしれませんが、やはり市の人口規模からすると、それ以上の駅規模かと感じます。観光資源の豊富さサマサマといったところでしょうか。
▼バスのりばも御覧の通りに結構な数がズラリと並んでいます。
駅が半島の先まで達しておらず、また内陸部にも全然鉄道網がないので、その分色々な路線があるといったところでしょうか。