滋賀県甲賀市の近江鉄道/水口石橋(みなくち・いしばし)駅・水口城南(みなくち・じょうなん)駅です。
前回の「近江鉄道」の駅で、甲賀市にある「水口〇〇」駅の残る2駅をお送りします。
まずは水口石橋駅から
-近江鉄道/水口石橋駅-
- 路線:近江鉄道本線 (米原-貴生川間)
- 開業:1957(昭和32)年8月16日
- 訪問:2009(平成21)年2月
- 1日あたり平均乗車人員:60人/日 (2016年)
- 近隣の都市駅:(米原方面)八日市駅→10駅
(貴生川方面)貴生川駅→2駅 - 鉄道での所要時間: 東京駅から:3時間58分
大阪駅から:2時間34分
※AM9:00発の最短時間
▼「水口」のつく駅名の3駅目です。いずれも2009年訪問につき、今から11年ほど前の状況ですが、今も大きくは変わっていないようです。
隣駅が水口駅ですが、利用者数が1日60人(乗車数)と、水口〇〇の4駅中で最も少ない水口松尾駅(58人/日)と僅差になっています。
ここもまた水口駅と同様で「水口」のつく駅が4駅続く(以後「水口4駅」と表記します)真っ最中?で、両サイドの隣駅名もしっかり「みなくち」が冠されていました。
「石橋」は東海道の水口宿として栄えていた頃にあった「石橋」に因んでのものといいます。
開業は1957(昭和32)年で、水口4駅中では水口駅に続いて2駅目にできた、最初の途中開業駅です。
ホーム上が屋根と柱のみで、壁の部分がなく、駅舎の裏側にあたる部分がその代用になっている感じですが、完全に埋まっている訳ではないので、上から風が吹き込んできます。
▼ホームは1面1線です。向こうが水口城南、貴生川方面です。
基本この沿線は分岐点や中心駅などの拠点駅ではない限り1面1線です。ここはその拠点の水口駅の隣で、その駅間が0.6kmとごくわずかですが、駅の様子はかなり違ったものとなります。
▼上の写真と反対向きのホームの様子です。
屋根のある幅が、前記事の水口松尾駅と比べるとかなり広くて、後発の松尾駅はコンパクトにつくられたのかな?と感じました。
こんな形でホーム屋根と駅舎がくっついていて、駅舎屋根のてっぺんとホーム屋根に隙間があり、ぴったりくっついている訳ではありません(最初の写真でもその様子をうかがえますが)
線路沿いの駅舎でない側(つまり、この写真の右側)も草むら等ではなく、普通に住宅地です。
▼改札を出て駅舎内の様子です。薄暗くてすみません。
コンクリート色の内装そして床面も同じで、荒涼とした雰囲気でした。そしてかなりこじんまりとした駅舎内でした。
向こう側の戸は締切状態なのか、前にベンチが乗り出していました。
駅舎内に自販機があり、ゴミ箱もありました。こんなこじんまりした駅舎内に自販機があるとは!という感じでした。
利用者が1日に100人に満たない駅でもこうして駅舎を残して維持してくれているだけでも、すごい事だなと思います。
▼駅前の様子ですが、特に広場スペースがなく、小道沿いに駅舎がある感じでした。
手前左が駅舎になりますが、この写真の線路沿いの道路が駅前通りという事になる形です。
特に駅前感もなく、普通の街の景色の中にポッと駅が設置されたような感じでした。
▼水口石橋駅の駅舎です。
見えにくいですが、屋根の右端あたりに上に飛び出す形で「水」「口」「石」「橋」「駅」と表記されていました。向こうの家の屋根瓦と同じ色で見えづらくなっていました。
真っ平な屋根で、波形の金属を入れていて、水はけを良くしているのかな?というところと、建屋そのものは、コンクリート色そのままに窓の部分をくりぬいた感のある、どこまでも平面な建屋という印象でした。
左半分はかつての駅事務スペースではないかと思われ、実質駅舎内として待合などで活用されているのは、右のドア周辺の一部です。
普通に道路沿いに置かれている感がかなりありました。これでも水口駅だけでは不足と判断されて約600mの地点に設置されたのでしょうか?(そういうニーズがあったのか?)と当時の事が気になるところでした。
続きまして、水口城南駅です。
- 路線:近江鉄道本線(米原-貴生川間)
- 開業:1989(平成元)年4月5日
- 訪問:2009(平成21)年2月
- 1日あたり平均乗車人員:545人/日 (2016年)
- 近隣の都市駅:(米原方面)八日市駅→11駅
(貴生川方面)貴生川駅→隣駅 - 鉄道での所要時間: 東京駅から:約3時間半
大阪駅から:約1時間半
※AM9:00発の最短時間
▼水口石橋駅から約700mの近距離に造られた隣駅です。
開業は1989(平成元)年の4月で、水口松尾駅と同日開業です。
旧水口町内で、それまで水口駅と水口石橋駅の2駅だったのが、この日に一気に4駅になった訳です。
駅利用者数は1日545人と、実は水口4駅の中で最多です。この4駅では、水口松尾駅と並んで両サイドに1989年に開業された形ですが、実は水口駅から唯一2駅離れたこの駅が最多というのが意外に感じました。
◆水口4駅の1日あたり乗車人員
ただ水口駅が街の中心にある訳ではないという地形的な条件もあり、また当時の水口町内の各施設や観光の中心である水口城跡などはここ水口城南駅の前に集中した格好になっているのもあるかと思います。
隣駅は貴生川(きぶかわ)と、水口石橋でこれ以降水口が4駅続きます。また貴生川への距離は2.6km程度で、信楽高原鉄道の貴生川との隣駅(紫香楽宮跡駅)との駅間(9.6km)ほど離れてはいません。
駅名標ですが、沿線どこも「-」で切ったりしていないので、とてつもなく長く感じました。JYOUNANではなくJONANでもなく「JYONAN」なのですね。
▼ホームはここも1面1線でした。水口4駅では水口駅を除いてすべての駅が1面1線となっています。
同じ日に開業した水口松尾駅は草むらの中に道路が平行に通っていただけの駅でしたが、ここはかなり風景が違ってて幾分都会的な佇まいでした。
▼ホーム屋根は広く取られていて、後ろも壁もビッシリと続いていました。水口駅以外の水口〇〇3駅では最もこのホーム辺りの設備の整った駅と思います。
木製の渋くて平べったいベンチが並んでいました。
ここもそうですが、当時は2009年で開業してまだ20年というところでしたが、やはりどことない渋さを感じました。
▼ホーム上の屋根庇の外観を含めた様子です。
駅舎が2階建てである事が分かります。
水口松尾駅はこの庇のみで、この横に駅名表示がなされていましたが、ここは駅舎が別にあるので、このサイドに駅名表示はありません(笑)
▼ホームから改札へ。
改札口として使われていた片鱗がある!思っていましたが、昼間のみ有人駅だそうです。水口4駅では水口駅とここだけが駅員配置の有人駅です。
この写真のカットだけでは、単にコンコースだけなのかな、という感じですが、詳細は次の写真にあります。
▼改札へ入って左側の駅舎内の様子です。
色んなものが額に飾ってあって結構賑やかでした。
水口城跡が近くにあるので、その勇姿が写った写真も飾られていました。
ベンチは平たい木製のものに「水口町 赤十字奉仕団」なる名前が縫い付けられた座布団が敷き詰められていました。
▼駅前広場にあたるところです。
水口4駅の中では最も整備された駅前広場ではないかと思いましたが、その名も「曳山広場」です。そしてその曳山の看板が並んでいました。
水口神社の春の大祭(4月20日)で巡行されるこの曳山のイラストは全部違うもので、現在16基ある各町のものがそれぞ看板におさめられているという訳です。
水口城跡がすぐ近くで、それを思わせる白壁の塀などもありました。
▼水口城南駅の駅舎です。
水口4駅では唯一の2階建て駅舎です。
城郭風の和風建築は、水口城跡がすぐ近くにある事の表れかと思います。
自販機が入口に3つあり、裏にもありとかなり多めでした。
駅舎は数段の階段上に建てられていながら、スロープも施されバリアフリー対応もなされていました。