滋賀県甲賀市の近江鉄道/水口(みなくち)駅・水口松尾(みなくちまつお)駅です。
前回まで信楽高原鉄道駅の御紹介をしていましたが、甲賀市にはJR・信楽高原鉄道以外にも鉄道が通っており、今度は「近江鉄道」の駅をお送りします。今更ながらですが、甲賀市は「こうか」と濁らずに読みます。
まずは水口駅から
-近江鉄道/水口駅-
- 路線:近江鉄道本線 (米原-貴生川間)
- 開業:1900(明治33)年12月28日
- 訪問:2009(平成21)年2月
- 1日あたり平均乗車人員:378人/日 (2016年)
- 近隣の都市駅:(米原方面)八日市駅→9駅
(貴生川方面)貴生川駅→3駅 - 鉄道での所要時間: 東京駅から:約3時間半
大阪駅から:約1時間半
みずぐちではなく「みなくち」です。
前回までの記事では、甲賀市の旧・信楽町エリアの駅ばかりでしたが、今回は旧・水口町の駅となります。東海道五十三次の「水口宿」で宿場町として栄えた地であり、水口城跡もある城下町でもあります。
当駅はその旧・水口町の町名を名乗る中心駅ですが、水口というのがこの辺りの重要なエリアなのか、その後近距離に駅が開業され、当駅含め「水口」のつく駅が4駅続く事となります。
開業は19世紀最後の年になる1900年で、この年は4で割り切れるので閏年と思いきや、
「100で割り切れて、400で割り切れない年は閏年ではない」そうです、今これを書いてて初めて知りました。4年で1日調整するだけでは足りないのですね。
利用者数が1日378人(乗車数)と、正直そんなに多くはありません。
この駅名標の佇まいを見ても、どこかしらそんな感じがします。
先に「水口」のつく駅が4駅続く、と書きましたが、ここはまさにその真っ最中?で、両サイドの隣駅名もしっかり「みなくち」が冠されていました。
▼ホームで水口石橋方面、つまりは貴生川方面です。
駅舎のない側で、向こうはパーキングや人家などが見える風景でした。
ホームは2面2線で、両方面でそれぞれ互い違いに(「千鳥式」というようですが)位置しており、両ホームはその間の構内踏切を渡る形で繋がっています。
ホーム上の屋根のあるエリアがごく狭い事が分かると思いますが、車両が短いので、逸れ双方の屋根の長さになっているのかな、という感じですね。
ホーム屋根を支えている柱はサビサビで、椅子はいかにもという感じの木製で古めかしさが前面に滲み出た感じのものでした。ここも訪ねたのが約11年前の2009年で、一昔前の姿になりますが、ここからメンテされているのかどうか…。
▼ホームから構内踏切を渡って、階段の数段上ります。
直進すれば出口へ至り、左折すれば向かい(貴生川)方面のホームへと至ります。
出口の袖には「みどころ」として「大池寺の庭」というのが記されていました。
枯山水の庭園という事でサツキの名園とありましたが、ここから徒歩約25分かかり、また「道順は駅事務室で聞いて下さい」というのがなんとも微笑ましかったです。駅の事務室に人が居るという事は分かりました。
しかし駅舎裏から見ても和風建築の立派な建屋である事は分かります。
ホームは若干寂しい感じはしましたが、駅舎はなかなかいい感じでした。バリアフリーの観点では少々厳しいですが。
▼水口駅のバス停標識です。
駅前広場ではなく、少し離れた道の上にありましたが水口駅「前」ではなく、あくまで「水口駅」という名のバス停でした。
行先や便数的にはこの時刻表のような感じですが、
●八田行き 八田経由下田行き (北西方面)
●和野行き 西ヶ瀬経由 中畑経由 (南東方面)
というのがありました。
甲賀市コミュニティバス「はーとバス」とありましたが、はーとバスはこの辺りの旧・水口町エリアを走っているもので、旧の他町エリアを走るバスは違う名前になっています。
▼水口駅の駅舎です。
実に大きな屋根の駅舎でした。屋根で建屋が隠れてしまいそうなほどでした。
自販機が2つあるところにちょっとした規模の駅である事を勝手に感じていました。少なくとも旧町の中心駅ではあったのですが。
タクシー標識こそありましたが常駐ではない感じでした。
続きまして、水口松尾駅です。
- 路線:近江鉄道本線(米原-貴生川間)
- 開業:1989(平成元)年4月5日
- 訪問:2009(平成21)年2月
- 1日あたり平均乗車人員:58人/日 (2016年)
- 近隣の都市駅:(米原方面)八日市駅→9駅
(貴生川方面)貴生川駅→3駅 - 鉄道での所要時間: 東京駅から:約3時間半
大阪駅から:約1時間半
▼水口駅から約1kmの近距離に造られた隣駅です。
開業は1989(平成元)年の4月、まさに消費税(3%)が日本で初めて導入されて間もない頃でした。そして自粛ムードのまだ強かった時期でもありました。
駅利用者数は1日58人と、隣の水口駅の2割程度です。平成になってから後発で、水口駅の近距離に造られた隣駅の割には少ない数字だと感じます。ちなみにこの写真の頃の2009年当時では1日49人で、50人を割り込む最少レベルだったようです。この背景には当時の水口町と某宗教団体との請願に依るところ大であったようです。
隣駅は水口と、もう一方は日野でこれは現在も「日野町」という自治体ですが、これと旧水口町の、郡部の中心駅のはざまにあった駅、という位置づけでした。
▼ホームは1面1線の最低限のもの、といった感じでした。
田んぼと草むらと道路だけの駅、これを見る限りでは感じてしまいます。
ちなみに日野駅との距離は4.9kmで、近江鉄道では最長の駅間距離となります。
▼ホーム上の反対方向のカットです。
向こうが庇のある側で、出口のある側でもあります。そして貴生川方面です。
水口駅に比べると、やはりかなり寂しい印象を受けます。片側は道路ですが、もう片側は草原という感じですね。
▼という訳でここは庇の下、駅の機能の殆どがここに集まっている、というところです。
ベンチの木のラフさがなんともいえませんでした。
色んなポスターや地図、沿線の運賃等ベタベタと貼ってありました。小さいスペースを最大限に利用してる感はありました。
沿線の運賃はアップで載せていますが、結構高いな、という印象でした。
あとは、京セラとかフジテックとかスクリーンとか、企業名の入った駅が比較多い印象で、企業密着的な沿線なのかな、とも感じました。
ダイヤ的には1時間に1~3本で、ならすと1時間に2本くらいというところです。
▼駅外すぐにある踏切です。
これ、この先渡って何かあるのかな??という感じしかないですが…
地図で見ても ひたすら山です。ゴルフセンターはあるようですが。
▼駅前道路が普通に幹線道(国道307号)です。
なので駅前感は希薄な感じがしました。
▼これはいわば駅前広場にあたる部分です。
駅の手前には自転車置場がありました。はみ出して置いてあるのも結構ありました。
車の乗入れは少々苦しそうですスペース的に。
▼水口松尾駅の表示が見える形の駅の様子です。
駅舎がないので、このホーム上の庇が実質的な駅舎扱いといえます。
数段の階段を上がってホームに行き着く形でバリアフリーの部分は少々欠けますが。
しかし平成になってできた駅で、この時がちょうど開業20周年だった訳ですが、すごく経年したような印象がありました。