遡って振り返る、「生活と思い出と世の中と」。48回目は1989(平成元)年の第5回です。
この年の物故者を振り返ります。
●訃報
・高橋良明さん
16歳の若さでバイク事故により急死。当時18歳だった自分が、まさか年下の芸能人の訃報に接することになるとは!と大変衝撃でした。
当時売れっ子で、これからまだまだどんどん売れてくる、そういう矢先だっただけにとても残念でした。
・手塚治虫さん
漫画家にして医師で、伝説の「トキワ荘」の住人として一時代を築き、「鉄腕アトム」が日本初の30分枠アニメとして放送され、その後多数のアニメ作品を世に送り出し、昭和アニメの第一人者的存在として先頭を走ってきていました。個人的には「鉄腕アトム」より「ジェッターマルス」の印象が強くて、他にもいろいろな作品の再放送を夕方に見たものでした。
・大坂志郎さん
「大岡越前」のオヤジさんことベテラン同心・村上源次郎役として、加藤剛さん演じる大岡越前を「若」と呼んでサポートする姿が印象的でした。これ以外では石立鉄男さんが主演した一連の「石立ドラマ」の常連として、江戸っ子気質のオヤジさんの役柄が印象的でした。
・辻佳紀さん
元プロ野球選手にして野球解説者をしながらタレント活動も行い「ヒゲ辻」の愛称で親しまれました。この何年か後に訃報を知りましたが、40代で癌で亡くなっていたとは…おどろきでした。
・殿山泰司さん
はげた頭に飄々とした雰囲気と独特のだみ声で存在感を発揮したいわゆる怪優の一人でした。
・つかせのりこさん
個人的に「おはようスパンク」のスパンクというしゃべる犬の声を当てていた印象の強い声優さんでしたが43歳の若さで癌により死去。
・古谷綱正さん
ニュースコープのキャスターとして、個人的に平日夕方に必ず見ていた方で、入江徳郎さんと両輪という感じでした。
・渡辺岳夫さん
昭和の名作の劇伴を多数手がけた偉大な作曲家で、「巨人の星」「天才バカボン」「キューティーハニー」などのアニメもですが「非情のライセンス」などのドラマ音楽も手掛けていました。56歳は早かったですね。
イランの政治家で「イラン革命」における指導者。在任中にはイランイラク戦争も勃発し、度々ニュースに「ホメイニ師」として取り上げられていました。それを見て「ホメイ・二師」だとずっと思っていました。かなり後になってから「ホメイニ・師」と知り、えっ!と思ったものでした。
・美空ひばりさん
前年東京ドームで不死鳥のごとく甦ったとされましたが、晩年は病が重く、遂にこの年52歳の若さで亡くなりました。
若い頃の栄光をリアルで知らず、自分が見始めたころは大してヒット曲もない時期だったので、その大物ぶりがあまりよく分かっていませんでした。
・入江徳郎さん
先に「古谷綱正さん」の項で触れましたが、昭和の「ニュースコープ」でやはり平日の顔的存在で、奇しくも古谷さんと同じ年に亡くなられました。
・浦部粂子さん
おばあさん女優としておなじみの存在で、片岡鶴太郎さんが彼女の物まねをして一段と有名になりました。
・松田優作さん
「太陽にほえろ!」ジーパン刑事から、様々なアクション映画、後に映画俳優、そしてハリウッド進出とスケールの大きな俳優活動を展開していた矢先、癌により早世されました。美空ひばりさんの死もこの年の衝撃の訃報かもしれませんが、個人的にはこの優作さんの死こそが衝撃でした。ちょうど理容店で髪を切っていた時に、そこのラジオから流れてきて、髪を切られながら声が出た記憶があります。
・志賀真理子さん
元アイドルで引退後留学先のアメリカで交通事故により19歳で死去