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昭和ドラマシリーズ「明日の刑事」

昭和ドラマシリーズ、今回は故・坂上二郎氏の主演した大映テレビの刑事ドラマ「日の出署」シリーズ三部作の最終作である「明日(あした)の刑事」です。

日の出署シリーズは1974年10月に「夜明けの刑事」がスタートし、坂上氏演じる叩き上げの人情派刑事・鈴木勇を主人公に据え、1979年10月にこの「明日の刑事」が終了するまで、実に5年もの間連続して放送されていたシリーズで、シリーズは下記のとおりです。

①夜明けの刑事 1974年10月~1977年3月

②新・夜明けの刑事 1977年4月~9月

③明日の刑事 1977年10月~1979年10月

①の夜明けの刑事はあまりみておらず、②の新・夜明けの刑事は一度たりとも見たことがないため、今回はシリーズとしてあげずに「明日の刑事」単体としてお送りしたいと思います。

レギュラーメンバーは以下の通り

鈴木刑事 坂上 二郎  
村上刑事 田中 健 1~24話、68話~
小林刑事 鈴木ヒロミツ  
太田警部補 谷 隼人 1~46話
山口刑事 志穂美悦子  
浅倉課長 梅宮 辰夫  
田島刑事 田島 真吾 25~69話
佐藤刑事 橋本 功 47話~
大谷刑事 東 竜也 47話~
警察犬係 南条 弘二 68~89話
主人 車 だん吉  
板前 水木 英二  

この作品は2年間(全90話)放送され、坂上氏主演の人情刑事ドラマは終止符を打つ事となりましたが、その後に登場したのがあの「噂の刑事・トミーとマツ」です。以後大映刑事ドラマは1982年末まで続く事となります。

初作「夜明けの刑事」がスタートした1974年当時に存在した刑事ドラマというと「太陽にほえろ!」と天知茂氏主演「非情のライセンス」くらいで、それらとは全く一線を画す人情派刑事ドラマとして人気を博し「夜明けの刑事」では人事異動はあったものの殉職者はなく、「新・夜明けの刑事」はわずか半年の放送でこちらはメンバー変更すらありませんでした。

しかし「明日の刑事」は殉職者3名を数え、決してハードな作風に変貌した訳ではなく、2年間の放送中に役者の都合等諸事情で降板に伴って、殉職の形で卒業となり、これは当時人気絶頂だった「太陽にほえろ!」の意識もあったのかもしれません。

最初の殉職者は太田警部補(谷隼人)で、スタート後1年の折り返しの頃でした。続いてはその半年後、途中から新人刑事として登場した田島刑事(田島真吾)で、最後は最終回で浅倉課長(梅宮辰夫)が部下たちの看取る中あっさりと亡くなるというものでした(詳しくは各刑事の項で)

 

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鈴木刑事(坂上二郎)

鈴木勇。終了時45歳との事につき昭和9年頃の生まれと思われる。当時の日本で最も多い名前ということからこの役名になったとか。

夜明けの刑事から5年間一貫して主人公で、鹿児島出身のたたき上げの刑事。

刑事のくせに銃を撃つのが嫌いで、また暴力も否定する男で一見頼りない雰囲気でありながら、体力は人一倍で人を守るために発揮する馬鹿力は相当なもので、若手刑事からも一目置かれている。常に人の気持ちを考え、その人の為なら徹底的に自分を殺して振舞うことのできる男で、地道にコツコツと事実を積み上げる捜査ぶりには上司の浅倉も信頼を置いている。

後輩刑事を呼び捨てにする事はなく「○○くん」と呼ぶ。

 

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村上刑事(田中健)

村上圭介。明日の刑事にて交番巡査から新人刑事として登場、初回は彼の登場で始まる事となる。

刑事のイロハが分からない故、当初は捜査方針を否定して生意気な態度をとったり、つまらないミスをしたり若さが多分に描写され、ピンチに陥る事も多々あった。

半年後に本庁へ栄転となり最初の異動者となるが、68話で復帰、その頃には後輩2人をもつ先輩刑事キャラにすっかり変貌していた。

以前より山口刑事との恋仲が燻ぶってはいたが、最終話で浅倉課長の死に際に山口との結婚を宣言する。

 

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小林刑事(鈴木ヒロミツ)

小林敦。鈴木と共に夜明けの刑事1話からシリーズ5年間完走した唯一の刑事。

ドジな3枚目キャラであるが、シリーズを追うごとに後輩が増えてきて、若手から中堅層へシフトしていく感じでもあり、コミカルだけでなくシリアスな部分も描写されたエピソードが多くなる。太田⇒佐藤とつながる系譜の警部補層からはかなり激しく叱責される役どころでもあった。

 

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太田警部補(谷隼人)

太田完一。明日の刑事より登場。階級は警部補で他の刑事より上にあるせいか当初はエリート意識がかなり強く、仲間意識を悉く否定し周りが引くほどであった。

日の出署の方針が分かるにつれ馴染んでいき、その中で刑事たちを引っ張っていく存在となっていた。表面上は後輩たちに厳しく接し、特に小林への叱責はかなり強烈であったが、熱いハートと信念をもって捜査に挑む。

46話でカービン銃を持った初老男の的となり誤って撃たれてしまう。その後病院で手術を受け、一時は意識を回復するが、課長はじめ仲間の看取る中息絶え、最初の殉職者となった。

 

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山口刑事(志穂美悦子)

山口志保。明日の刑事より登場する唯一の女性刑事であるが、身体能力は最も高く犯人逮捕時に回し蹴りなどハードアクションをバリバリこなす。

小林に好意を持たれても相手にせず、村上とは反目しあいつつ徐々に仲を深め、最終話の課長の死に際に結婚を宣言。

 

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田島刑事(田島真吾)

田島秀夫。25話で村上の後任として登場した新人刑事。1万人マラソンで走るところから捜査をして刑事課に入り、当初は新人らしい活躍と挫折が数多く描かれたキーマンであったが、徐々に影が薄くなり1年後の69話で殉職。

自分をつけ狙う男が次々と残虐な犯罪を重ね、辞職決意でその男と対決し逮捕、駆け落ちする恋人と待ち合わせ場所で目が合ったその時、彼女に横恋慕した男にナイフで突然前から後ろから刺され、あっけない死を遂げる。殉職時24歳。後日談は描かれず、犯人もどうなったか不明。

本作で唯一、初話にも最終話にも在籍していない刑事。

 

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佐藤刑事(橋本 功)

佐藤平吉。OPでは佐藤刑事とされているが階級は警部補。47話で殉職した太田の後任として登場。せっかちで口うるさくガミガミとものを言うタイプ。普段はベレー帽を被る古風な刑事の典型的な容貌。家に帰れば5人の子持ち。当初は口うるさいおじさんと目され一人浮いていた感があったが、情にもろいタイプで温かいハートの持ち主でもあり、後輩と打ち解けていった。

最終話で死にゆく浅倉課長からあとを頼むと指名され「頼まれたくありません」と課長の死を受け入れ難く発したが、浅倉にとっては彼がナンバー2とみなされていた事の表れでもあった。

 

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大谷刑事(東 竜也)

大谷昇。太田の後任として佐藤と共に赴任してきた刑事。田島と同格のようで新人感がなく、単に若手の一人として描かれた感があった。お母さんとのエピソードなど事件以外の面が描かれる事が多く、事件そのもので単独でメインを張る印象がなく、田島殉職後単独で最年少となったが、地味な存在に終始した。

 

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浅倉課長(梅宮辰夫)

浅倉尚平。新・夜明けの刑事から登場した刑事課課長。

厳しくも温かい理想の上司でいわゆるツンデレの気質あり。「責任の取り方は分かってるな」が口癖。新人が勘違いして「辞めます」というと「バカ者!」と雷を落とし「真犯人を逮捕しろと言ってるんだ」とチャンスを与えるのが定番。鈴木が豪雨で張込み中に傘を差し出し、自らはずぶ濡れになって帰って行くなどのエピソードもある。

独身男で、当初は角刈りでかなりの強面だったが、後半は髪を伸ばすようになる。

最終話で自ら銃を取り、海外要人を守る鈴木の援護をし、彼の危険を察知するや盾となって撃たれ、部下たちの看取る中で息絶える。この行為は上層部の意向を無視した命令違反として殉職扱いにならなかった後味の悪いラストとなってしまう。